これから理学療法士になろうと考えている方で、就職先をどこにしようか悩むと思います。
特に地方出身の人は、田舎に帰って就職しようか、都会(東京や大阪)に出て就職しようか悩みますよね。
都会のほうが何かと便利で住みやすいと感じる人もいれば、田舎のほうがのんびりしていて好きという人もいるでしょう。
ここでは「都会vs田舎」について、理学・作業療法士の求人や給料、それぞれに住むメリットを解説します。
都会と田舎の求人数の違い
都会と田舎では、どちらが求人が多いかは改めて言う必要はないですね。当然、都会のほうが求人数は多いです。
どこが都会でどこが田舎かについては、偏見になってはきますが、都会と田舎でどのくらいの求人数があるのかをざっと調べてみました。
転職サイトのマイナビコメディカルとPTOT人材バンクが求人数が多いので、そちらを参考にしました。また、求人数は時期的な変動は当然ありますので、あくまでも参考程度に。
PTの場合(平成30年10月12日現在)
マイナビコメディカル | 人材バンク | |
東京 | 1345件 | 1457件 |
神奈川県 | 930件 | 697件 |
大阪 | 437件 | 831件 |
京都 | 80件 | 198件 |
青森 | 1件 | 64件 |
長野 | 8件 | 141件 |
大分 | 0件 | 76件 |
このように都会である東京や神奈川、大阪などは求人数は比較的多くあります。
一方、比較的田舎な青森や長野県などは求人数は圧倒的に少なくなります。
見るからに都会の方が就職しやすいことがはっきりとわかりますね。
都会と田舎の給料の違い
こちらのインデートというサイトで、各地域の理学療法士の平均給料が確認できます。そちらを参考に都会と田舎の給料の違いについて見ていきます。
PTの場合(平成30年10月12日現在)
平均月収 | |
東京 | 26.8万 |
神奈川県 | 26.1万 |
大阪 | 25.7万 |
京都 | 22.3万 |
青森 | 21.2万 |
長野 | 22.3万 |
大分 | 21.8万 |
平均月収をざっくり調べてみましたが、こちらも都会の東京や神奈川、大阪などが給料が高い傾向にあり、田舎ほど給料は安くなります。
ただ、給料に関しては職場によってかなり差があります。
大阪在住の僕は転職を3回経験していますが、年収は以下の通りでした。
1~4年目 | 病院(回復期、療養) | 450万円 |
5~8年目 | 病院(回復期) | 360~390万円 |
9年目 | 訪問看護ステーション | 430万円 |
9年目 | 整形外科クリニック | 430万円 |
1年目は回復期の病院に勤めましたが、1年目にしては給料は良いほうでした。ただし、昇給がなかったため4年目になっても給料はそのままでした。
比較的給料の高いのは、訪問看護ステーションの訪問リハビリです。インセンティブ(歩合制)を導入している事業所では年収500万円くらいは狙えます。すぐにでも給料を上げたい人におすすめです。
生涯年収が高いのは、公立や国立の病院です。初任給は安めですが、昇給が民間病院よりも高いことやボーナス、退職金も高いので、長く勤めるつもりの人におすすめです。
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理学・作業療法士が田舎に住むメリット
僕は田舎に住んだことがないので、人から聞いた話にはなってきますが、参考程度に。
人が少ない分、のんびりしている
まず、田舎のほうが人が少ない分、例えば通勤ラッシュに巻き込まれることもありません。大阪に住んでいると、電車通勤ですと電車の中でギューギューに押されながら1時間くらいかけて通勤していたこともありました。これを毎日していると結構消耗します。
ただ、田舎の場合は、電車が何時間に1本しか来ないので、そのあたりは不便かもしれません。
自然が気持ちいい
あと、田舎の方が自然豊かです。これは、僕が地方に旅行に行ったときに感じることですが、都会の空気よりも田舎の空気の方が断然済んでいます。
家賃が安い
そして、田舎のほうが家賃が安い。大阪だと5~7万円くらいするような物件でも、田舎だと3万円で住めたりします。たとえ給料が安くても、固定費を極力抑えることができれば良いわけです。
理学・作業療法士が都会に住むメリット
次に、都会に住むメリットについてです。
遊ぶ場所が多い
都会に比べて、田舎のほうが家賃は安いでしょうが、東京や大阪のほうが遊ぶ環境としては面白いですかね。東京ディズニーランドや大阪だとユニバーサル・スタジオ・ジャパンもなどもあるので、刺激的に暮らせるかも。
勉強会の数が多い
リハビリ関係の勉強会に関しては、田舎よりも東京や大阪などの都会の方が圧倒的に多いです。
例えば、有名な勉強会案内サイトのPT-OT-ST.NETを見ても、田舎に比べて東京や大阪の勉強会の数は3~10倍くらいになります。
勉強会に行くメリットは、単純な知識の補充以外にも人脈が広がるというのもあります。有名な先生と知り合えたり、受講した人と仲良くなって情報交換をするようになったりが付加価値としてあります。
田舎だと限られた数の勉強会しかないので、遠方まで受講しにくる人もいるくらいなので、専門家としてスキルアップや人脈を広げたい人にとっては都会に住むほうがアドバンテージになると思います。
情報を入手しやすい
ここ数年、僕も僕の周りの人もTwitterなどのSNSを使うようになりましたね。Twitterだと、理学療法士協会の情報なども流れてくるので、情報収集として活用されてもらっています。
当たり前に毎日Twitterを眺めているのですが、これが田舎の人ほどまだまだTwitterも活用していないという人が多いようです。前述したように、田舎のほうが勉強会の数も少ないので、外の情報に触れる機会が減るのでしょう。
もちろん、情報収集をするかどうかは個人の努力になってはきますが、それでも都会に住んでいるほうが情報が勝手に流れてきやすい環境であることは間違いありません。
場所を移りやすい
田舎ではまず求人の数が圧倒的に少なくなります。仮に退職したいと思っても求人数が少なく、すぐに次の職場が見つかることは難しい場合があります。
ですが、東京や大阪では求人数が比較的多くあるので、「転職してもすぐに就職できる」というメリットもあります。都会のほうが、嫌ならすぐに辞めやすいということですね。
住む場所が決まれば、自分に合った就職先を探そう
都会、田舎それぞれの求人数、給料、住むメリットをお伝えしました。
これらを踏まえて、どちらに住むのが働きやすいか、生きやすいかを基準に就職先を選びましょう。
就職先を自分一人で探すのは、とても大変だと思います。ネットで求人情報を探したり、応募先に電話して、施設見学を依頼、履歴書を送って、面接をして・・・など。
求人情報を探すなら、転職サイトを利用したほうが圧倒的に楽です。
転職サイトは無料で使える上に、エージェントと呼ばれる代理人が求人情報の案内から応募先への連絡を代行してくれます。希望すれば、履歴書の添削や面接の同伴にて給料の交渉なども行ってくれます。エージェントは就職活動のプロですので、内定される確率も上がるでしょう。
あなたが住む場所や、立場(既卒なのか新卒・学生なのか)によって、使う転職サイトを選びましょう。
理学・作業療法士としてスキルアップを図りたいのであれば、東京や大阪近辺の都会に住んだほうが良いと考えています。その理由は、医療業界の情報収集がしやすいからです。
とはいえ、あなたが働きたい環境で思うように生きることが、あなたにとっての幸せだと思います。