理学療法士の9年目のかずぼーです。
僕は転職を3回軽減しているのですが、8年回復期リハビリテーション病院に勤め、その後に訪問リハを経験、現在は整形外科クリニックに転職して2ヶ月とちょっとが経過しました。
新しい環境に移ってまだ2ヶ月しか経ってないので、新鮮な気持ちで仕事ができています。こういう状態の時は、仕事が楽しいですね。
ただ、思うことも出てくるんです。
理学療法士として整形外科クリニックで働いてみて、ここは大事だなというところを健忘録として記事に残しておこうと思います。
やはり評価が大事
クリニックには、
- 腰が痛い人
- 肩が痛い人
- 膝が痛い人
と接することが多いです。
痛みを主訴に来院される方がほとんど。
整形外科クリニックで働く理学療法士のことを、徒手療法バリバリのイメージを持っている方もいるかもしれませんね。
「肩の痛みを治せなかったらどうしよう・・・」と心配する人もいるかもしれません。
でもまぁ、病院でもクリニックでも訪問リハでもどこでもそうですが、やはり評価が大事だなって思うのです。
- どこが痛んでいて
- どんな動きをすると痛いのか
を問診や実際に動かしてみて、痛みの特徴を探ります。
痛みの特徴がわかれば、徒手療法で治療していくのですが、僕が問診でよく聞くのが、
- いつから痛いか
- 何をして痛くなったのか
です。
なぜこのような質問をするかと言うと、傷んでいる組織は今どの時期にあるかを探るためです。
疼痛は炎症症状の一つであり、治癒過程には炎症期、増殖期、成熟期とあります。
わかりやすく言うと、炎症期は急性期であり、増殖期は回復時期、成熟期は慢性期のようなイメージです。
急性期リハと回復期リハ、慢性期のリハでリハビリ内容が違うように、疼痛時期に合わせたリハビリを提供することが大切です。
炎症期は、とにかく患部を安静にすること。
増殖期は、痛みがない範囲で動かすこと。
成熟期は、拘縮があることも加味して、痛みを伴わず動く範囲で動かすことを指導します。
このように痛みの時期を把握することで、炎症期にバリバリの運動療法をするのは禁忌だとわかりますし、慢性期で拘縮が強くある人に無理やりストレッチをすることもありません。
患者が今どの時期にいるのかを知ることが大切なんです。
患者さんの中には、特に受傷機転なく痛み出した方も多いです。
そういった方は普段の身体の動かし方が悪いために、同一部位に負担が集中し、痛みを引き起こしています。
つまり、どこに集中して、どうすればそこの集中を分散できるかという考察をしていきます。
それらを含めて、評価します。
「どのくらいで、何をすれば治るのか」を説明できることが大事
どこに痛みがあって(原因)、何をすれば痛みが出るのか、何をすれは痛みが出ないのかを評価するだけでは不十分であり、患者さんにそれらを説明する必要があります。
なぜ患さんに説明することが大事なのか?
どんな腕の良い意味治療者でも、治療時間内に炎症を消せるわけはありませんし、慢性期の拘縮を除去するのは不可能だからです。
そこはやはり経過を追って治していくものです。
そのことを患者さんにも理解してもらう必要があるのです。そうでなければ「リハビリに来たのに、治ってないやん!(関西弁)」と期待を裏切ってしまう恐れがあります。
また、クリニックでは週に1、2回しか来院しない患者さんがほとんどです。ですので、痛みの原因を説明し、自分でできるリハビリ方法を提示することも大切なのです。
例えば、肩関節周囲炎の患者さんにはこのように説明しましょう。
「1週間くらい前から痛み出したということですので、この辺りにおそらくまだ炎症が残っていると思います。1ヶ月くらいすれば炎症は収まってくると言われていますので、それまでは患部を安静にし、氷で冷やすなどが良いです。」
炎症が収まってきている患者さんには、
「こういう動きをすると痛みが出ると思いますが、この動きは痛みが出ませんよね。今は痛みのある動きは避けてください。
ですが、全く動かさないと肩が固まり、余計に動かしにくくなります。
ですので、痛みのない範囲でこのように運動をしておいてください。
もし、途中で痛みが出るようなら、運動を中止してください。」
このように、
- どこに原因があり
- 何をどのくらいすれば
- どのくらいの期間で痛みが軽減してくる
ということをしっかりと説明する必要かあります。これが非常に大切です。
1週間の経過を把握する
外来では、週に1、2回、多くて3回、時間としては1単位(20分)、2単位(40分)がほとんど。
つまり、理学療法士が直接関わる時間はかなり限られています。
むしろ、患者自身でどうセルフケアをしていくかのほうが大切なのです。
1週間に1回しか来られない患者で、たまに「あまり変わってないなぁ」「悪くなったなぁ」という方がいます。
週1回しか来られない患者がたまに言う「あまり変わってないなぁ」「悪くなったなぁ」に対して、こちらからは「あなたは一週間何をしていたのか?何をして悪くなったのか?」という強気のスタンスを取っておきたいですね。
「強気のスタンス」と書いてますが、患者自身でも「何をして痛くなったか」を少しでも考えて欲しいという思いが僕の中にあります。
患者は、解剖学や運動学の知識は持ってないでしょう。
ですが、自分の身体に敏感になり「こうすれば痛みがマシだった」「こうしたから痛みが強くなった」などの変化を来院したときに教えてくれると、「こうするのは良くない」「こうするのが良い」助言がしやすくなります。
あまり良くなっていない患者さんには、
- 1週間どんな生活をしていたのか
- 安静は守っていたのか
- 前回教えた運動はしていたのか
- 指示通りにしたことを守れていたのか
を確認します。
炎症期の時期なのに、バリバリに仕事をして、動いている人もいます。なかなか治らないんですよね。当たり前です。
「痛みがなかなか治らないのは安静にしていないから」というのが本音でもあります。
痛みが治らないのは理学療法士の腕が悪いと考えることもできるのですが、患者の生活習慣に原因が隠れているともいえます。
ですが、痛みがあるから安静にしていなさいというのは、非現実的な指示です。そういった方はできる限りの対処方法教えます。
よく歩く人はサポーターをする、よく歩いた後は氷で冷やすなど。できる対処方法を伝えます。
1週間に1回のリハビリで、何ができるのか?
「魚を与えるのではなく、魚の釣り方を教えよ」という言葉があります。
つまり、理学療法士は痛みをとってあげるだけでなく「どうすれば痛みが取れるのか」「何をしておけば疼痛予防になるのか」を患者さんに教育することが重要なのです。
これが、魚の釣り方を教えるということです。
まとめ
整形外科クリニックで働き出して2ヶ月。働いてみて感じたことをお伝えしました。
まとめですが、整形外科クリニックで大事なのは、
- 評価
- 説明すること
- 患者自らで治療・予防できるように指導する
です。
整形外科クリニックに興味のある方は、こちらの記事▼も参考にしてみてください。
-
【転職体験談】理学療法士が「整形外科クリニック」で働く10のメリット
理学療法士が活躍できる場って、沢山ありますよね。 僕が若手の頃は、給料や休日日数のことは二の次で、「勉強できるところ」を優先して病院で働くことを決めました。 そんな僕も9年目になり、これ ...
続きを見る