理学療法士で転職を考えている方は、次勤める職場がどんな環境か気になりますよね。
職場に求めるものは、人それぞれなので「これがあるから働きやすい」と断言するのは難しいのですが、働きやすさはイコール離職率の低さとも言えます。
離職率とは、一定期間(例えば1年)でどのくらいの人数が退職したかを示した指標のことをいいます。
離職率が低いということは、その職場に定着する人が多いということです。
辞める人が少なく、職員満足度も高いと考えて良いでしょう。
逆に離職率が高いと、働きにくく、職員満足度が低いとも考えられ、中には雇用規約に反するようなブラック企業もあるかもしれません。
また、経験年数の若いスタッフばかりで構成されている職場も要注意です。例えば、一番上が十数年目なのに、下は3年目までがほとんどなど。
出来たばかりの職場ならまだしも、何年も経営しているところでは、つまり数年で辞めている人たちが多いということが考えられます。
ただし、「キャリアアップ」「家族の事情」などが理由で退職することもあり、一概に「働きにくい職場だったから退職した」と決めつけられない部分もあります。
これから理学療法士で転職する人は、就職したのに辞めてしまうリスクを少しでも下げるためにも、必ず「離職率」は確認しておきましょう。
理学療法士の離職率
理学療法士の平均離職率は、医療分野で10.2%、介護分野で18.8%と報告されています。
引用)https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10801000-Iseikyoku-Soumuka/0000120210_4.pdf
その中でも訪問リハビリは離職率が最も高いです。
訪問リハビリの場合、就職先の多くは訪問看護ステーションになると思いますが、事業所が小さかったり、人間関係が合わないと辞める人が多いのでしょう。
訪問リハビリは、移動時間もあるため利用者を診る時間を含めると退社が遅くなりやすい現場でもあります。その分給料は他の分野よりかは良いです。年収500万円くらいは貰えるでしょう。
ただ、訪問リハビリにハマる人はずっと長く勤めるので、合う人には合うと思います。
離職率がゼロの職場はないですし、そのような職場は人の入れ替わりがない分新しいことにも挑戦しにくい傾向にあります。
理想的な離職率がどのくらいかは定かではありませんが、3年で離職率が30%(例:10人入社し、3年の間に3人以上辞めている)を超えている職場は何かしらの問題がある可能性を考えておいたほうが良いでしょう。
理学療法士の離職率が高い理由は「転職しやすいから」
理学療法士の離職率が高い理由の一つに、「転職しやすい」というが挙げられます。
というのも、他の業界ですと仕事が嫌、もしくは他の理由で転職しようと考えても、資格やスキルがないと就職するのが難しいのです。
一方、理学療法士は国家資格ですので、ある程度スキルがあるという前提で採用されやすくなります。
理学療法士の人数は年々増加傾向にありますが、まだまだ需要はあるので就職しやすい職業なのです。
僕も転職を3回、4つの職場を経験しています。
- 回復期リハビリテーション病院(勤続4年)
- 回復期リハビリテーション病院(勤続4年)
- 訪問リハビリ(2ヶ月)
- 整形外科クリニック(現在~)
転職を多く経験している僕が思うのは、理学療法士はしやすい業界であることです。
転職理由には、「給料を上げるため」「他の分野を経験するため」など前向きな理由もあるでしょうし、「人間関係が悪い」「残業が多すぎる」などネガティブにも思える理由もあるでしょう。
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どんな理由にしても、今いる職場に何らかの不満があり、将来に期待できないのであれば、環境を変えることもできる業界であることは間違いありません。
一般企業に勤めている人と話をしていても、鬱になるくらいキツくても、なかなか辞めづらいようです。「なぜ辞めないのか」を質問すると、「辞めても次の就職先が見つかるかわからない」「辞め方がわからない」などと言っていました。
その点で言えば、理学療法士の転職は特別ではないです。
残業代が出ない、パワハラが横行しているなどのブラック企業はどこにでもあります。
理学療法士は、幸いにも転職しやすい業界なので、ブラックは現場を見たら即逃げた方が賢明です。
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理学療法士が就職・転職するなら、離職率は確認しておきたい
離職率が高いと、辞める人が多く、職場に何かしらの欠点がある可能性が高いわけですが、大事なのは「辞めた理由」です。
さすがに離職率30%以上あると、数字だけで「ここはブラック企業かも」と判断できるのですが、離職率10%くらいだと、良い職場か判断できないものです。
そのため、転職するなら離職率を確認することと、過去に勤めていた人が「なぜ辞めたのか」も把握しておきたいところです。
職場の内部情報は、現場の人に伺わないとわからないものですが、転職サイトの転職エージェントに聞いてみる手もあります。