理学療法士のかずぼーです。
僕は転職3回経験していて、よく求人を見ていたのですが、「理学療法士よりも、作業療法士のほうが求人多くない?」ってことに気づいたのです。
2016年時点では、理学療法士の数が13万人、作業療法士が8万人にも達しており、これは世界でトップクラスの多さです。
理学療法士は募集すれば応募者が来やすいのに対して、作業療法士のほうが希少性が高いので、求人が多く出ています。
しかも、作業療法士は精神科や身体障害者福祉センターなど理学療法士に比べて、働き先は広くあります。
作業療法士が転職する理由
僕の周りにも、作業療法士として働きながらも転職した人が数人いました。
「給料の高い職場へ行きたい」
「結婚するので、奥さんとお互い職場が近いほうが良い」
「病院だけでなく訪問リハビリも見てみたい」
など、作業療法士も理学療法士も、転職する理由に大きな違いはないでしょう。
また、作業療法士の特徴として、
- 職場に作業療法士が少ない
- 担当患者が多くなる
- 業務が多くなる
- 日常生活(ADL)評価で昼休憩が潰れる
- 診る範囲が広い
このように、どうしても業務負担が増えてしまいます。
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また、作業療法士は理学療法士に比べて女性が多い職業です。
女性ですと、途中で結婚したり、子供ができたりして生活が目まぐるしく変わる人もいるでしょう。
女性の場合、男性のようなキャリアアップのための転職というよりも、ライフスタイルに合わせた働き方を目指す人も多いです。そのため、結婚を期に住む場所を変えるために転職をする人、子供ができたため短時間勤務に働き方を変える人もいます。
作業療法士はなぜ転職しやすいのか?
作業療法士は国家資格を有し、社会的にも認められている職業です。
作業療法士が一般的に就職する分野は、病院、介護老人保健施設、デイケア、訪問リハビリなどです。他には精神科や身体障害者福祉センターに就く人もいます。
前述したように、作業療法士は理学療法士比べて希少であり、需要が高いのです。また、就職先も幅広く転職しやすい職業であるといえます。
僕が以前勤めていた職場で上司が、「うちは理学療法士が多いから、作業療法士の職員が入ればなぁ」と言っていたこともありました。本音で言えば職種のバランスを整えたかったようです。
作業療法士は在宅リハに向いている
昨今は医療費削減のため、国から病院の入院期間の短縮が求められています。さらに、回復期リハではFIMのアウトカム評価が導入され、成果の出ていないリハビリの算定は認めません、と言われるようになってきています。
つまり、病院でリハビリを受けるのではなく、在宅で生活しながらリハビリを受けるように国が推奨しているのです。
訪問リハビリなど地域に密着した分野の需要がどんどん高まってきており、少なくとも団塊世代が75歳を迎え高齢者が急増する2025年まではこの傾向は続くでしょう。
作業療法士は、主に日常生活活動にアプローチをする専門家ですよね。
在宅リハでのアプローチは、ゴリゴリの徒手療法というよりも、「どうすれば楽に生活できるか」のちょっとした工夫を提案する分野です。
家庭で家事を担うことの多い作業療法士の女性(男性もすると思いますが)には向いている分野かもしれません。
在宅医療・介護にシフトしている時代においては、日常生活動作をしっかり診れる作業療法士は優遇されやすいのです。
作業療法士が転職・就職できる分野
作業療法士は、理学療法士に比べると身体だけでなく、精神領域も学習してきている職業です。
作業療法士の方の多くは、
- 病院(急性期、回復期、療養、ケアミックス)
- 整形外科クリニック
- 訪問リハビリ
- デイケア
- 介護老人保健施設
- 特別養護老人ホーム
に就職します。
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身体機能を主に学習してきた理学療法士も、上記の分野に就職する人が多いです。
病院では、身体の回復にフォーカスを当てたリハビリに重きを置かれますが、老年期にある高齢者では回復というよりも、如何にして安全・安心・安楽に生活ができるかを考えます。
作業療法士は、老年学もしっかり学習してきているため、身体機能の回復時期を過ぎた方へのリハビリだけでなく、介護老人保健施設や特別養護老人ホーム、訪問リハビリやデイケアなどで特に力を発揮しやすいといえます。
作業療法士は、リハビリの中に手芸やアクティビティなどを取り入れ、生活に楽しさを見つける役割を担います。また、自宅にこもりがちな高齢者がどうすれば社会参加できるかを一緒に考えます。
作業療法士の中でそれほど多くはないですが、保健所や保健センターに勤める人もいます。そこでは予防という観点から、健康相談やリハビリ教室などを行います。
他には、精神領域である精神保健センター、精神障害者支援センターや子供の成長や発達を支援する児童発達支援センターへの就職することもできます。
このように、作業療法士にしかできないこともあり、作業療法士は幅広い分野で活躍できる職業です。
作業療法士が転職する際に注意するポイント
僕は転職を3回経験し、今は満足に働くことができています。
ですが、「今の職場から離れられればとりあえず良い」という動機だけで転職先を決めてしまうと失敗してしまいます。
転職する際は、最低この5つは必ず見ておきましょう。
- 職場の雰囲気
- 給料
- 休日
- 仕事内容
- 福利厚生
人それぞれ転職先に求めるものが違うと思いますが、あなたは何を重要視するでしょう?
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ちなみに、僕が最も重視した点は職場の雰囲気です。
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ただ「何となくこの分野にいけば勉強になるだろう」や「この先生のいるところで働くことができれば自分も何か変わるかもしれない」と考えるのは早計です。人が成長するかどうかは環境に依存するからです。
本当は質問したいのにびくびくしてしまって質問できない上司のいるところや、やりたいことがあるのに上司に相談したら否定されたり、細かい企画書を用意しないと通らないようなところでは、成長のスピードが遅くなってしまいます。
逆に疑問は気兼ねなく訊ける雰囲気、やりたいことは否定なく進めることができる風土があれば、働きがいも全然違います。何よりストレスが少ないです。
だからこそ、僕は職場の人、雰囲気、風土を重要視したのです。実際、ここを基準に職場を選ぶことで、とても働きやすい職場に転職することができました。
ただ、働く上で給料も気になるところですよね。僕の今勤めている職場では、作業療法士の月収30万円以上と比較的良いほうです。
案外見落としがちですが、住宅手当や扶養手当などの福利厚生もしっかりみておきましょう。たとえ月収が25万円くらいだったとしても、住宅手当で3万円あれば暮らしはかなり楽になりますよね。
作業療法士が転職に成功するためのポイント
転職を考えている作業療法士のあなたに、僕から転職に成功するためのポイントをお伝えします。
円満退職は社会人としてのマナー
まず、転職の準備をするにあたり、現職の上司に退職する旨を伝えなければなりません。ここが面倒だからという理由で、ズルズルと居座ってしまう人は本当に多いです。
上司に転職する旨を伝えることはそれほどハードルの高いことではありません。
あなたが、
「今より、もっと給料の高いところに就きたい」
「やりたいことができるような環境に飛び込みたい」
などの動機があるなら、上司もそこまで強引に引き止めたりはしません。
かと言っても、転職するということは多少なりとも同僚に迷惑のかかるものです。
円満退職は社会人としてのマナーです。以下の記事に目を通しておき、転職の準備を始めましょう。
円満退職するためのポイント▼
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転職する理由を明確にしておこう
転職する際に、あなたが求める条件を明確にしておくことで、今後働きやすい職場に就職できるかどうかが決まります。
僕の場合「給料も大事だけど、何よりも職場の雰囲気が良いところ」という転職先に求める条件をブラさずに転職活動をしました。
なので、すぐに面接をするのではなく、職場見学を必ずさせれもらっていました。
シビアな話ですが、少しでも「あ、ここの上司は厳しいな」と感じたなら、就職先候補から外していました。
転職に成功するための11のポイント▼
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転職に失敗したくない理学・作業療法士へ!転職に成功するための11のポイント
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転職サイトを利用すれば楽に転職できる
今の職場はとても働きやすく、大満足の転職だったのですが、僕が就職先を探す際に活用したのが、転職支援サイトでした。
転職に成功するかどうかは、情報収集に尽きます。どんな職場があるのかを自分で探していましたが、転職サイトに登録すると就職のプロが代行で希望条件に合った求人を紹介してくれます。めちゃくちゃ楽に転職活動ができます。
登録やサービスを受けるのはすべて無料ですので、転職を考えている人にはメリットしかないので、これは使わない理由がないですね。
このブログで紹介している転職サイトは、理学療法士だけでなく、もちろん作業療法士も同じように利用可能です。
作業療法も使える転職サイト▼
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【体験談】理学療法士(PT)で転職に不安がある人は転職エージェントを活用したほうが良い
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