目次
病院と訪問リハビリの違いを簡単に比較
| 項目 | 病院 | 訪問リハビリ |
|---|---|---|
| 患者さんとの関わり | 入院中の患者中心 | 生活している自宅で関わる |
| 1回のリハビリ時間 | 20〜40分程度 | 40分程度が多い |
| 移動時間 | ほぼなし | 20〜30分程度あることも |
| 評価する内容 | 身体機能中心 | 生活全体を見る |
| 他職種との連携 | 病棟中心 | 看護師・ケアマネ・主治医など |
| 事務作業 | カルテ中心 | 報告書・電話対応など |
| 経営への関わり | 少ないことが多い | 小規模事業所では関わることも |
| 人間関係 | 人数が多い | 少人数で距離が近い |
表だけ見ると簡単ですが、実際に働くとかなり違いがあります。
患者さんと関わる時間は意外と同じ
「訪問の方が患者さんと長く関われる」
そんなイメージを持つ人もいるかもしれません。
でも実際は、患者さんと関わる時間だけならそこまで大きく変わらないこともあります。
病院でも20〜40分程度のリハビリを行います。
訪問でも40分程度が多く、時間だけ見ると実は大きな差はありません。
違うのは「見る場所」です。
病院では、
- 疾患
- 身体機能
- 動作能力
- リスク管理
を中心に見ることが多いです。
訪問ではさらに、
- 家の段差
- トイレ環境
- 家族との関係
- 実際の生活動作
まで見ます。
病院では、
「歩けますね」
で終わることもあります。
でも訪問では、
「玄関の段差は上がれる?」
「夜トイレまで行ける?」
「家の中で転ばない?」
ここまで考えます。
評価方法はかなり違う
これは訪問に来て大きく感じた違いでした。
病院
- ROM
- MMT
- バランス能力
- 歩行能力
- 疾患の状態
身体機能中心になりやすいです。
もちろん大切な評価です。
訪問
- 実際にトイレまで行けるか
- 靴を履けるか
- 家族が介助できるか
- 段差でつまずかないか
訪問では、
「できる能力」
よりも、
「実際に生活でできているか」
をかなり見ます。
私は訪問へ来てから、
「できるADL」と「しているADL」
の違いを以前より意識するようになりました。
訪問は移動時間も仕事になる
病院では次々に患者さんが入ります。
間が空くことは少ないです。
訪問では移動があります。
私の経験では、
午前3件、午後3〜4件程度。
移動時間が20〜30分程度あることもあります。
最初は、
「移動時間ってもったいないのかな」
と思っていました。
でも実際は、
- 次の利用者さんの情報整理
- 報告内容を考える
- 少し気持ちを切り替える
そんな時間にもなっています。
意外と頭を整理するにはちょうど良い時間です。
訪問は看護師さんとの会話が多い
病院でも看護師さんと関わります。
ただ、訪問は少し違います。
例えば、
「食事量どうですか?」
「血圧どうでした?」
「最近歩く距離変わりました?」
こんな会話は本当に多いです。
理学療法士と看護師では見るポイントが違います。
理学療法士
- 動作
- 歩行
- バランス
看護師
- バイタル
- 服薬
- 体調管理
お互いの視点が合わさることで利用者さん全体が見えてきます。
家族との距離が近い
病院は患者さん本人中心になることが多いです。
訪問では家族も支援対象になります。
例えば、
「歩けるようにしてください」
と言われても、
実際は家族が転倒を怖がって歩かせていないケースもあります。
身体だけを見ても解決しないことがあります。
家族の不安を聞いたり、説明することも大切な仕事です。
一人で判断する場面が増える
病院では、
「看護師さん呼びます」
「先生に確認します」
が比較的すぐできます。
訪問では最初に状況を判断するのが自分です。
例えば、
- 血圧が高い
- 顔色が悪い
- むくみが強い
- 急に歩けなくなった
もちろん相談はできます。
ただ最初に気付くのは訪問者です。
最初は結構緊張しました。
天候の影響を受ける
これは地味ですが結構あります。
病院
室内中心
訪問
- 雨
- 真夏
- 真冬
- 台風
全部影響します。
車なら渋滞もあります。
夏は車へ戻った瞬間暑いです(笑)
ケアマネとの関係も重要
病院ではそこまで関わらない人も多いですが、訪問ではかなり関わります。
例えば、
- 状態報告
- サービス調整
- 新規相談
- 担当者会議
電話もかなり増えます。
最初は緊張しましたが、自信を持って話すことも大切だと感じました。
小さい事業所では経営目線も必要
ここは病院との大きな違いかもしれません。
小さい事業所では、
リハビリだけしていれば良いわけではないこともあります。
例えば空いた時間に、
- マニュアル作成
- SNS運用
- 集客案
- 求人案
- ケアマネ挨拶
などを考えることもあります。
最初は驚きました。
でも今は、
「事業所をみんなで作っている」
そんな感覚があります。
人間関係は訪問の方が近いこともある
病院は人数が多いので、
- 委員会
- 係活動
- 会議
などもあります。
一方、小さい訪問事業所では人数が少ないことも多いです。
みんな訪問に出ているので、事務所で1人になることもあります。
少しコーヒーを飲みながら一息ついたり。
戻ってきたスタッフ同士で、
「今日こんなことあった」
と本音で話しやすい空気もあります。
ただし少人数だからこそ、
協力しないと回らない部分もあります。
結局、病院と訪問リハどっちが楽?
結論から言うと、
楽さではなく「しんどさの種類」が違います。
病院は、
- 患者数
- スピード感
- 勉強量
が大変なこともあります。
訪問は、
- 判断力
- 責任
- 生活全体を見る視点
が必要になります。
どちらも大変です。
でも違うのは、「大変な理由」です。
病院が向いている人
- 急性期〜回復期を学びたい
- 多くの症例を経験したい
- 教育体制を重視したい
- 医療的知識を深めたい
訪問リハビリが向いている人
- 利用者さんの生活を見たい
- 人との関係づくりが好き
- 自由度の高い働き方がしたい
- 経営的な視点も学びたい
まとめ
病院と訪問リハビリは、同じ理学療法士でも働き方はかなり違います。
私自身感じるのは、訪問は自由度が高いということです。
利用者さんとの関わり方も、人とのつながり方も、病院とは違った面白さがあります。
もし今、
「病院以外も少し気になる」
そう思っているなら、一度見学に行くだけでもイメージはかなり変わると思います。