「理学療法士は毎年1万人くらい増えている」
「理学療法士はもう飽和状態」
このような声を聞く人も多いでしょう。
僕も理学療法士の資格を取って10年経ちますが、確かに若手が増えている印象です。
「理学療法士が増えれば就職しづらくなる」
そんな心配をする人も多いでしょう。
ここでは、理学療法士は本当に飽和状態なのか、また就職難を乗り切る今後の働き方や転職方法についてお伝えします。
理学療法士はどんどん増えている現状
実際に理学療法はどれくらいいるのか見てみましょう。
こちら▼は平成28年のグラフですが、この時点で理学療法士の人数は14万人くらいいます。10年前と比べると倍以上の人数になっているんですね。
引用)https://www.pt-ot-st.net/index.php/topics/detail/565
看護師に比べると、理学療法士の人数は足りてないとは思いますが。
しかも、理学療法士の数は毎年1万人近くの合格者を出しています。
引用)https://www.pt-ot-st.net/index.php/topics/detail/848
また、理学療法士の養成校もかなり増えています。(見づらいのでクリックしてください)
引用)http://sugp.wakasato.jp/Material/Medicine/cai/text/subject04/no6/html/section5.html
日本理学療法士協会によると、2019年での養成校は266校(募集は263校)とのことです。
15年くらい前と比べと、養成校が100校程増えたことになります。
理学療法士の試験は80%前後なので難しい資格ではありませんので、今後も理学療法士は増え続けるでしょう。
理学療法士は就職しづらいのか?
マイナビコメディカル内の求人を見てみると、全国で7,000件以上。(2019年7月末の情報)
もちろんマイナビコメディカル以外でも求人を出している病院や施設、企業がありますので「理学療法士は飽和している」とはまだまだ言えないと思います。
東京の求人数を見てみましょう。
求人数は1,400件以上。(2019年7月末の情報)
長野では19件。(2019年7月末の情報)
都会では、理学療法士が就職するのは難しくはないでしょう。
田舎の方になると、求人数はかなり減りますが求人はあるにはありますね。
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理学療法士も今後は飽和状態になる?
理学療法士の求人はまだまだ多くありますので、飽和状態とは言えません。
ただ、いつまで需要があるかはわかりません。
団塊世代の高齢者が増える2025年頃までは大丈夫でしょうし、2040年頃までは高齢者は増え続けると言われていますので、その頃までは需要はあると思います。
以後高齢者が減る、といいますか日本人の数が減った後の理学療法士の需要はどれくらいあるのかは不明です。
遠い未来には理学療法士の仕事もロボットに一部置き変わるかもしれません。それはどの業界でも同じことですね。
理学療法士の平均年収は下がっている
理学療法士は現在、昔ほど楽に就職できるわけではありません。
就職できないというよりも、給料が下がる可能性のほうが高いです。
実際に、昔に比べて理学療法士の平均年収下がっています。
下のグラフ▼の通り、理学療法士の平均年収は15年前に比べると20~30万円ほど下がっています。
厚生労働省の平成29年度賃金構造基本統計調査では、理学療法士の平均年収は約404万円とされています。
引用)https://ameblo.jp/ryochin577/entry-12450968032.html
今後理学療法が増え続ければ、一人一人の理学療法士の給料は下がるかもしれません。
理学療法士が就職難を乗り越える今後の働き方
理学療法士は名称独占ではありますが、業務独占ではありません。
つまり、誰でも理学療法はできるわけです。
こうなると、どこまでが専門性かわかりづらくなります。
なので、「私はこれができます」と、はっきりとした肩書と実力を持つことが大切な時代になるでしょう。
スキルアップをして希少性を高める
今の内からスキルアップを図り、理学療法士としての希少性を高めておくことが大切です。
例えば、
- 認定理学療法士
- 専門理学療法士
- 管理職に就く
など。
ただ資格を持ってるだけではいけませんので、実力も合わせてアピールできてば、多くの理学療法士に埋もれてしまうことはないでしょう。
個人のスキルを高めておく
理学療法士としてのスキルアップだけでなく、あなたにしかできない価値を持っておくことも必要です。
例えば、プログラミングスキルを持っている人は今後間違いなく重宝されます。
医療とITの親和性は高く、業務システムの効率化やデータ編集などがスタッフの手でできれば確実に一目を置かれます。
またExcelが得意なだけでも十分です。
僕のようにブログのライティングができるなどもスキルとして使えます。
医院のホームページを代行するのに何十万円もコストがかかりますが、スタッフが代行すればかなりコスト削減になり、あなたの給料に反映されることも期待できます。
このように、個人のスキルアップを図っていくことが今後生き残っていく方法でもあります。
副業で収入源を分散しておく
副業解禁の流れもあり、副業を始める人は増えていくでしょう。
加えて、トヨタが終身雇用の崩壊も発表しており、一つの会社で働き続けることのリスクも考えられます。
副業で収入源を増やしておくことで、本業の理学療法の給料が上がりづらい現状を解消できます。
例えば、クラウドワークスに登録し、自宅でできるお仕事を受注しても良いでしょう。
月に5万円でも副収入があれば楽ですよね。
早いうちから長く働ける職場に転職しておく
前述した通り、現状理学療法は完全に飽和しているとは言えません。
ただし、理学療法士の給料は今後下がる可能性は高いと言えます。
そのため、早いうちから長く勤められる職場へ就職しておくことが大切です。
何年かして嫌になって辞めてしまった場合、突出したスキルを持っていないと給料を下げてしまう恐れがあります。
今の職場で長く勤められるでしょうか?
「NO」という人は、早めに転職しておいたほうが良いでしょう。
僕は転職を3回経験していますが、就職しづらいといった印象はまだまだありません。
ただ、2025年頃にはどうなっているかわかりません。
今のうちに、個人のスキルを高めておき、可能なら副業で収入源を分散しておくのがベストです。
そして、働きやすい職場に転職して、職場での信頼を得ておきたいですね。
要するに、早いうちから手を打っておくことが大切です。