僕は理学療法士10年目になり、これまでに主に回復期の病院を2つ、訪問リハビリ、整形外科クリニック(現職)を経験してきました。
療法士が40人規模の職場にいたことや4つの職場を経験してきた中で、「こういう資質がある人は、理学療法士に向いているな」というのがわかってきました。
「自分は理学療法士に向いているのかな?」
そう心配する人は、この記事を読んで適性を確かめてみてください。
この記事を読んでみて「理学療法士に向いていないかも・・・」と余計に不安になる人もいるかもしれませんが、改善も可能ですので是非参考にしてください。
理学療法士に向いている人
理学療法士に向いている人の特徴ですが、以下の5つが挙げられます。
- コミュニケーション力が高い
- 理論的思考ができる
- 粘り強い・我慢強い
- 共感力が高い
- 人の世話をするのが好き
理学療法士に向いている人①.コミュニケーション力が高い
理学療法士は対人援助職です。
ただ患者の身体を他動的に動かすだけでなく、時に患者を励まし、辛い気持ちに共感し、勇気づけるよう声掛けを行う必要があります。
患者だけでなく、家族に協力してもらう必要があるときにはしっかりと病状を説明する能力も求められます。
他職種とは患者情報を共有するため、密に連携を取らなければいけません。
このように、患者や家族、他職種、あらゆる場面でコミュニケーションを必要とします。
また、患者と他愛のない世間話ができる人は、人として信頼関係を築きやすくコミュニケーション力が高いだけでも理学療法士としては有利です。
理学療法士に向いている人②.理論的思考ができる
理学療法士は、根拠をもって治療を行うことが求められます。
また、学校で習ったことを統合して解釈する能力も必要であり、ある程度の予後予測ができなければなりません。
「この患者はこのくらいまで能力が改善する、なぜなら・・・」「この訓練を行う目的は・・・」と理論的に思考できる人は、理学療法士に向いています。
理学療法士に向いている人③.粘り強い・我慢強い
理学療法士を10年くらいしていると、なかなか改善しない患者もいます。長い期間を経て少しづつ改善していく患者もいます。
「この患者は、このくらいまでが限界かな」そう思うときもあるのですが、「いや、まだもっとできることがあるかもしれない」と粘り強く患者の可能性を広げる努力ができる人は、理学療法士に向いています。
理学療法士に向いている人④.共感力が高い
患者は病気をして苦しみを抱え、リハビリに対して前向きになれないときもあります。
そんなときに、理学療法士はどれだけ患者の気持ちに寄り添えるかが大切です。
治療技術が高かったり、論理的思考ができるだけでは、患者の能力は改善していかないのです。なぜかと言うと、リハビリの主役は患者だからです。
患者が前向きにリハビリ取り組めるように、気持ちの面でもサポートできる能力が求められます。よって、共感力の高い人も理学療法士に向ています。
理学療法士に向いている人⑤.人の世話をするのが好き
「理学療法士って、患者のストレッチや筋トレ指導だけしていれば良いんでしょ」と患者の生活を無視していてはダメです。
やはり、理学療法士も患者の生活に関わっていかなければいけません。
理学療法士も車いす移乗やトイレ、食事介助をするときもあります。他人の世話が苦では人は、この仕事に向いているでしょう。
元々子供の世話をするのが好き、または自分のおばあちゃん(おじいちゃん)の世話をするのが好きな人は、理学療法士に向いています。
理学療法士に向いていない人
ここからは、理学療法士に向いていない人の特徴を解説します。
ただ、向いていないとはいえ改善は可能です。というのも、考え方を変え行動に移していくだけで大丈夫だからです。
- 人と関わるのが苦手(または嫌い)
- お金のために仕事をしている
- 諦めが早い
このような考えの人は、理学療法士に向いていないと思いますので、考えを改めてみてはどうでしょう。
理学療法士に向いていない人①.人と関わるのが苦手(または嫌い)
理学療法士は患者とは必ず関わりますし、患者の家族や他職種ともコミュニケーションを取る仕事です。
人と関わるのが嫌いな人は、理学療法士に向ていないでしょう。
ただし、コミュニケーションは日々の練習で改善していくものですので、人と関わるのが苦手だからと言っても「この仕事嫌い」とすぐに判断しなくても良いです。
親、兄弟との会話は苦痛ではないですよね。周りに、一人くらいは気兼ねなくお話できる人はいるはずです。
人と関わるのが苦手かも・・・と感じていても、日々患者と関わっていく内にコミュニケーション力は身についていきます。
苦手だと思っていたことができるようになると、逆に人と関わるのが楽しくなるかもしれません。
理学療法士に向いていない人②.お金のために仕事をしている
「理学療法士はお金のために仕事をするな」とは言いませんが、お金がすべてだと思って理学療法士をしているとかなり辛くなると思います。
逆説的ですが、お金のために仕事をしている人ほど成長せず、お金以外の「自分の成長のため」に時間を使える人のほうが、成長は早いと言えます。よって、給料も上がりやすくなります。
なぜなら、モチベーションがお金以外にあるため、賃金発生時以外でも自己研鑽をするからです。
理学療法士としてまだ未熟な場合、仕事時間外でも勉強は必要ですし、研究など自己研鑽が必要な時期もあります。
なので、お金以外の楽しさ、自己成長の喜びを見出すことが大切です。
理学療法士の平均年収は404万円(厚生労働省の平成29年度賃金構造基本統計調査)です。
最初から、もっと給料が欲しいのなら他の業界に転職した方が良いかもしれません。
理学療法士に向いていない人③.諦めが早い
諦めの早い人も理学療法士には向いていません。
患者の能力改善にも粘り強さは必要ですし、時にリハビリ拒否なんてこともあって粘り強く関り信頼関係を築いていく必要があります。
理学療法士は社会人になってからも勉強が必要ですし、すぐに投げ出してしまう人は恐らく実習の段階で脱落していると思います。
僕は理学療法士の仕事を10年していますが、1年目の頃は全くの役立たずでした。
知識もなければ、当然経験もありません。
そんな僕でも1年くらい臨床経験を積んでいくと、ある程度理学療法の論理的思考ができるようになってきました。
僕の経験も踏まえて、わからなくても、できなくても、最初の1年くらいはとりあえず続けてみるというのは大事だと思います。
理学療法士に向ていないかも・・・それは、知識と経験が足りていないだけです!
理学療法士に向いている人、向いていない人を解説してきました。
「自分は理学療法士に向いているかも」と思えた人は、そのまま頑張ってほしいです。
「あぁやっぱり自分は理学療法士に向いていないんだぁ」とネガディブになってしまった人もいるかもしれませんので、フォローアップもしておきます。
僕も理学療法士になりたての頃は、同じように「向いていないかも」と思っていました。
しかし、実は「知識」と「経験」が足りていなかっただけだと、今では思うことができています。
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「知識が足りないから、わからないことがある」
「知識が足りないから、患者との関わり方がわからない」
そう思うようになってから、片っ端からわからないことを調べて疑問を解消していく作業を繰り返しました。
すると、わからなかったことがわかり始めて、どんどん臨床が楽しくなっていったのです。
さらに、1年、2年と経験を積んでいくと、同じような症状の患者、同じような境遇に出くわすときがきます。
そうすると過去の経験が活きてきますので、不安も改善しやすくなります。
「理学療法士に向いていない」と感じるのは、環境が合っていないのかも?
職場によっては、指導してくれる先輩がいなかったり、指導者がいたとしても厳しすぎて自己嫌悪に陥るばかりの場合もあります。
自分自身が今の職場で、少しでも成長を感じているのであればそのまま頑張ってみるのも良いと思います。
「理学療法士に向いていない」と感じる人もいると思いますが、もしかすると「今の職場が自分に合っていない」だけのこともあります。
「全く成長を感じない」
「辛いだけ」
そう感じ始めているのなら、早めに転職を考えたほうが良いでしょう。
なぜなら、今の職場にずっと居続けても成長できないどころか、ずっと辛い気持ちのまま働き続けることになるからです。
転職を考えている人は、以下におすすめの転職サイトを紹介しています。
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