職場を退職しようと考えた時に、「今の職場は、1年前から退職の意思表示をしなければいけないのです」と言う人をたまに見かけます。
しかも、「1年前に退職表明をしたら、ボーナスを減らされた」
なんて言う人がいます。
と思うのです。
「1年前に申し出ないと辞められないんです」と悩んでいる人に、そんな訳ない理由を法律を交えて理論的に説いていこうと思います!
【理学療法士の転職】退職願いはいつ出せば良いの?
退職は2週間前に申し出れば問題はありません。6ヶ月以上の契約(例えば年俸制)でも3ヶ月前で良い。
1年前に申し出なければいけないんです。←そんなバカことあるかいな。https://t.co/58aE91Pl8M自己都合退職— かずぼー@理学療法士・ブログ (@kazubo_rigaku) 2019年4月20日
まず法律では、2週間前に伝えれば問題はないとされています。
当事者が雇用の期間を定めなかったときは、各当事者は、いつでも解約の申入れをすることができる。この場合において、雇用は、解約の申入れの日から二週間を経過することによって終了する。
(民法627条1項)
2週間以内でも辞めることは可能ですが、損害賠償などのトラブルのリスクもあるので、最低限2週間前には退職願いを出しておいたほうが良いでしょう。
当事者が雇用の期間を定めた場合であっても、やむを得ない事由があるときは、各当事者は、直ちに契約の解除をすることができる。この場合において、その事由が当事者の一方の過失によって生じたものであるときは、相手方に対して損害賠償の責任を負う。
(民法628条)
ただし、半年以上で契約している場合には、3ヶ月前には申し出なければいけません。
ほとんどの人が月給制だと思いますが、年俸制の場合は注意してくださいね。
六箇月以上の期間によって報酬を定めた場合には、前項の解約の申入れは、三カ月前にしなければならない。
(民法327条3項)
結論、退職願いは、
に出せば問題なし!
我々には、「職業選択の自由」があるのです。「簡単には辞められない」は、人権侵害だと思いますが。
法律、就業規則どちらを優先すれば良いの?
就業規則で「3ヶ月前には退職を申し出ること」などと、法律の2週間前よりも長い期間で定められていることが多いです。
では、法律と就業規則どちらのほうが効力が高いの?
と疑問に思いますよね。
ちなみに就業規則は、これよりも長く定められていることが多いですが、気遣いレベルです。
文句言われれば、法律振りかざして結構です。
— かずぼー@理学療法士・ブログ (@kazubo_rigaku) 2019年4月20日
なので、基本的には2週間前には申し出れば問題はありません。
ただし、仕事の引継ぎなども考えると2週間では現場がバタバタしますよね。
なので、もっと早めに申し出ておくことで円満退職になるのです。
法律上2週間前に退職願い出すのは問題ないけど、仕事をいくつか抱えている人からするとギリギリにもほどがあるので、もっと前に伝えるのがベストって感じ。
— かずぼー@理学療法士・ブログ (@kazubo_rigaku) 2019年4月20日
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勤続意思の確認のために、1年前から面談やアンケートを取る職場がある
職場によっては、1年前から「面談」や「アンケート」を取る場合もあります。
僕は2つ病院に勤めていたことがありますが、どちらも面談とアンケートがありました。
アンケートは、
- 次年度の目標
- 仕事の困りごと
- やってみたい係や委員会の相談
そして、
「1年先もここで働きますか?」という意思表示の確認です。
冒頭での「1年前から退職の意思表示が必要」と言っている人は、このアンケートや面談での話をしているのでしょうね。
職場からすると、「どうせ辞めるのなら、出来るだけ早く人員の募集をかけたい」と考えています。
あなたが3ヶ月前には辞めたとしても、辞めてすぐ人員を確保できる保証はないですし、仮に人材を確保できても、すぐに仕事ができるわけではありません。
なので「辞めるんなら早めに言ってよ」というわけです。
1年後に退職する旨を伝えるって大丈夫?
あなたが1年後に退職を考えていたとして、僕が思うことは、
何で1年経ってから辞めようと考えてるんですか?
です。
辞めたいと思いながら1年も働き続けられるなら、その後も続けられるんじゃないですか?辞めなくても良いんじゃないですか?
僕なら辞めたいと思い始めたら、すぐに退職願いを出します。さすがに1年居続けるなら、それなりのメリットがないとそこに居る理由がないですからね。
1年間で学ぶことがあって、1年後に退職を考えているというならわかりますよ。だとしても、退職表明をするのは3ヶ月前で良いと思うのです。
あなたが1年前から退職表明をするメリットはない。デメリットしかない
あなたが、わざわざ1年前から退職表明をするメリットはありませんよ。
むしろ「あいつ辞めるらしいぞ」と変な噂がたっても困りますよね。
何なら本当に1年後に辞めるかもわかりません。気が変わって辞めないかもしれませんし。
1年後の気持ちなんてわかりませんよ。
しかも、1年前に退職の意思表示をしてしまったばかりに、ボーナスを減らされたなんて、これはもう知識不足からくる災難です。
ボーナスカット(賞与)は法律違反にはなりません。
労働基準法第11条では、「この法律で賃金とは、賃金、給料、手当、賞与その他名称の如何を問わず、労働の対象として使用者が労働者に支払うすべてのものをいう」
とされており、この賃金にボーナス(賞与)は含まれていません。
つまり、職場からボーナスを出しても出さなくても問題ないわけです。
ボーナス(賞与)に関して、労働契約や就業規則に規定が記載されていれば反論の余地はありますがね。
次の職場で実績を積んだ方が得なのでは?
なぜボーナスがあるかを考えると、「ボーナスまで頑張ろう」と考える人が多いからですよね。
仮に辞めたいと思っても、ボーナスまでは居てくれるのですから。
とするなら、1年前から退職表明をしてしまったばかりにボーナスをカットされた人は、いよいよ何のためにそこで1年も働き続けるのかわからなくなりますよね。
ということは、ボーナスカットされてまで、そこにいる理由は何ですか?というお話になってきます。
「搾取の見本」と言っても過言ではない。
— かずぼー@理学療法士・ブログ (@kazubo_rigaku) 2019年4月20日
僕ならすぐに辞めますよ。
なぜなら、今すぐにでも辞めて、新しい職場で実績を積んでボーナスを貰えるようにした方が得だからです。
そんなにボーナス気にするんなら、別で半年くらい実績積めばボーナス貰えますけど。そう考えると益々そこにいる理由は何ですか?と思う。
— かずぼー@理学療法士・ブログ (@kazubo_rigaku) 2019年4月20日
今回は、職場を辞めるに辞められない人に向けて、法律的なことも踏まえてお伝えしました。
ボーナスカットまでされて、1年も居続けるなんてよっぽどの理由がなければ、完全に搾取されてます。
その点を踏まえて、あなたなら今すぐ辞めますか?それとも今の職場に居続けますか?