仕事をする上で、ストレスの原因となりやすいのが「人間関係」。退職した人が抱えていた悩みのほとんどがこれです。
こちらのグラフ▼をご覧ください。
上司など、同僚との人間関係にストレスを感じている人が多くいるというのがわかりますね。退職したくなるほどストレスを感じるのは、クライアントではなく、実は上司などの同僚に対してです。
関連記事:【PT/OT/ST】人間関係が原因で仕事を辞めたい!?人は簡単に変えられないが環境は変えられるよ。
患者に対してストレスを感じても、"辞めたくなる"ほどにはならない
患者にストレスを感じて、仕事を辞めたくなる理学療法士や作業療法士もいるかもしれません。
ですが、辞めたくなるほどストレスを感じることに関して、患者が原因の場合はほとんどありません。
なぜなら、病院に入院している患者はいずれ退院しますし、訪問やデイケアなどで長期的に関わる利用者(または患者)は週に1.2回程度しか会いません。
そもそも患者(または利用者)と接すことにストレスを感じる人は、学生時代に「自分には向いていない」ことに気づいてフェードアウトしているからです。もしくは実習で適性がないと評価されてこの道を断念しています。
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仕事内容がストレスの原因?それは"システム"の問題です
仕事内容がストレスの原因にランクインされてますが、たとえ難しい作業でも優しく指導してくれる先輩や上司がいればクリアできるんです。
そもそも、難しすぎて挫折してしまう仕事って「誰ならできるの、それ?」って感じですよね。
仕事ができないのはあなたのせいではなく、上司や先輩が誰でもできるように"システム"を構築していないからです。
そうでなければ、少なからず挫折者が出現してしまいます。
根性論で仕事をしていると、必ず"無駄"や"ミス"が生じますよ。
ストレスが多い理学療法士は、患者にとって弊害でしかない
僕は1年目の頃は、めちゃくちゃストレスを感じながら仕事をしていました。
僕の1年目は、
- 症例発表(年に3回)
- 実習生のようなレポートが1年中ある
- 先輩・上司からの厳しい指導
- 係・委員会多数
- 1日18単位のノルマあり
- 21時まで残業するのは当たり前
- 院長回診で怒られまくる
特に、1年目の頃はレポートや症例発表の準備などで連日寝不足でした。
十分に寝ないと日中の業務をまともにこなせるわけがありません。
ここだけの話、寝たきりの患者とのリハビリの時に30秒くらい目をつぶってることもありました。専門家としては最悪です。反省してます。
ただ、こうでもしないと身がもたないんですよ。
自分で言うのも変ですが、こんな理学療法士は患者にとって弊害でしかありません。
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寝不足でストレスの多い実習生は、患者にとって弊害
実習生に対して、未だに寝させないバイザーとかいますよね。
あれ、ほんとやめた方が良いですよ。
治療見学中に、実習生が寝そうにしてることってあるじゃないですか?
何で寝そうになるか考えたことありますか?
バイザーは居眠り実習性に対して、「見学中に寝るなんて、これから理学療法士として働く自覚はあるのか?」という最もな指摘を浴びせるわけですが、いやいや、ちゃんと寝させようよ、と言いたい。
寝不足の実習生が、患者に対応するケースもあるわけですよね。
患者の前に立つ時に、寝不足でコンディションが悪かったらどうなりますか?
患者の異変に鈍感になるんです。
そんな理学療法士は、患者の大事なサインを見逃すかもしれません。そんなの患者にとってもよくないのは明白です。
実習生のコンディションをコントロールするのもバイザーの役目です。バイザーは知識や技術を教えるだけではないのです。
自分が心身ともに健康でないのに、果たして他人を健康にできるのか?
僕は、まずは自分の身体を大切にしてほしいと思うわけです。
僕も過去に、ストレスが抱えながら患者さんと接していたことがありました。
担当した患者さんは、認知症がきつい方で、リハビリに誘ってもなかなか応じてくれない。いわゆるリハ拒否(リハビリを拒否すること)を強く受けていました。
ますますストレスに感じた僕は、リハビリに誘うのも面倒に思ってきて「こっちだって仕事でやってるんだよ、頼むからリハビリしてくれよ」と思ってくるわけです。
自分本意な考えです。僕には余裕がなかったのです。
これではいけないと思って、職場を変えてみました。
新しい職場でも同じように認知症の強い患者を担当し、はじめの1ヶ月はまともにリハビリができませんでした。
しかし、仕事に対するストレスがなく、自分に余裕があると、患者との対応にも変化を感じることができました。
「どうすれば患者が動いてくれるのか?」「何に興味があるのか?」。患者の"良いところ"をどんどん引き出し、リハビリに参加する糸口を見つけようと努めてみたのです。
諦めずに毎日関わっていると、少しずつリハビリをしてくれるようになったのです。
おそらく自分のことでいっぱいなら、こんなに辛抱強くリハビリに誘うことはしなかったかもしれません。僕の心に余裕があったからできたことです。
まずは自分の心身の健康を大切にしてください
理学療法士は集中力も体力もいる、疲れやすい仕事です。
「きついな」と感じる患者を担当することもあるかもしれません。
そのような患者でも、最善のサービスを提供するのがプロです。
あなた自身に心の余裕がなければ、患者のリハビリをうまく進めることができないかもしれません。
ストレスを多く抱えた理学療法士よりも、心身が健康な理学療法士が担当した方がよっぽど患者さんのためです。
理学療法士として、患者を幸せにしたいと思うならあなた自身が心身ともに健康で幸せになることです。
もちろん他人を幸せにすることで、自分の幸福度が上がることもあるでしょう。
ただそれは、患者が喜んでくれた姿を見て、理学療法士も幸福を感じるからです。
すぐに患者が喜んでくれるとは限らず、善意でしたことでも、無下にさることだってあります。もちろん患者に悪気はありません。
自分が幸せでないと、優しさは偽りのものになってしまいます。それが態度に現れると、患者にも悪影響を与えてしまいます。
理学療法士は"プロ"として、どんな患者にも「余裕のある対応」をしなければならないのです。
「ストレスの対価がお金になる」という発想はやめよう!
仕事はお金をいただくためにしていますが、仕事によって発生したストレスの対価がお金になるわけではありません。
クライアントに質の高いサービスを提供して、その対価がお金になるのです。
病む前に環境を変えることを視野に
質の高いサービスを提供するには、あなた自身のストレスをなくすことです。
あなたのストレスがなくなって、もう一度患者を診てみてください。どんな患者でも対応できる気がしてきますよ。
仕事ができないくらいに病んでしまっては遅いです。ストレスを抱えているのなら環境を変えてみることも考えてください。
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