僕はこれまでに転職を3回経験してきました。
新人として最初に勤めた職場では、「これは長く続けられないなぁ」と強く思って、転職を決意したことを覚えています。
でも、いざ辞めることを決意しても「気まずくなったら嫌だなぁ」「お世話になったし、迷惑はかけたくないなぁ」と思うものです。
できることなら、円満退職をしたい!
そう考えたのです。
ここでは、円満退職のための8つのポイントを解説しています。
初めて転職する人も、何回か転職したことがあり円満退職じゃなかったという人は、後腐れのないように、スムーズに転職できるようにしておきましょう。
退職するなら、社会人として"円満退職はプランの一つ"と心得ておくべき
僕の周りでは「退職前にいざこざがあって、退職日まで決まずくなった」という話も聞いたことがあります。
そういうのを聞くと、いざ「辞めます」と上司や同僚に言うのは気が引けました。
上司や同僚にはお世話になりましたので、できる限り円満に退職まで事を進めたいですからね。
職場に不満があって退職を決意した人もいるでしょうが、辞めるときも、気持ちよく辞めていくのが、勤め上げた会社に対する礼儀です。
また、あなたの評判が次に行く職場の上司の耳に入ってしまうかもしれないことも考えておきましょう。
もし、退職前だからといって、適当に仕事をして辞めてしまえばどうでしょう?
せっかく転職したのに、居づらくなる恐れがでてきますよね。
世間は案外狭いものです。
転職を決めたなら、円満に退職をすることもプランの一つとして考えておきましょう。
円満退職のポイント①退職理由を明確にしておくこと
「退職したいと思う理由は何?」
上司へ報告する際、退職理由は必ず聞かれますので具体的な理由を用意しておく必要があります。
ここでのポイントは、
- 曖昧な理由
- ネガティブな理由
にならないこと!
この2点です。
転職理由が明確でない人は、こちらの記事▼も目を通してみてください。
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曖昧な退職理由とは、例えば「スキルアップのため別の職場を見てみたい」など。一見良い理由に思いますが「法人内のデイケアや訪問リハビリはどう?」と切り返されてしまいます。
もちろん、異動も視野に入れてのおくべきではありますが。
「あの人が苦手」「残業が多いから」なども印象が悪くなるだけでなく、仕事の仕方変えることで解決できないかという展開にもなってしまいます。
退職理由が弱いと、簡単に引き止められてしまうのです。
つまり、今の職場で解決できる可能性はないかの話になりますので、すんなりと退職まで進まないことがあります。
退職理由で上司から突っ込みが入ると、円満退職できないこともあります。
今あなたが抜けられてしまうと、同僚の負担も増えますし、新しい人を雇う段取りもしなければいけないと上司は考えるものです。
もちろん、あなたが辞めた後のことまでフォローする義務ないので、今の気持ちを整理してしっかりと明確な退職理由を伝えることが大切です。
「給料の高いところに転職したい」というのも立派な理由です。
しかし、ただ給料の高いところが良いと説明するよりも「結婚するから」など単なるお金目的ではことを伝えて、転職の決意が固いことを伝えましょう。
「やりたいことがあるので、働きたい職場が見つかった」というのも明確な理由です。
「今の職場では、実現できないために退職する」というのが、引き止められない理由になるのです。
転職回数が多い人ほど「転職理由」がとても大切です。再就職で不利にならないようにしましょうね。
転職回数は再就職に影響するのか?▼
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円満退職のポイント②いつ「退職する」と伝えるのか決めておこう
就業規則によって、上司への報告時期は決まっているはずです。
就業規則では、「退職は少なくとも1ヶ月前までに申し出る事」などと決められているのです。
ただし、労働基準法によると・・・
- 当事者が雇用の期間を定めなかったときは、各当事者は、いつでも解約の申入れをすることができる。この場合において、雇用は、解約の申入れの日から二週間を経過することによって終了する。
- 期間によって報酬を定めた場合には、解約の申入れは、次期以後についてすることができる。ただし、その解約の申入れは、当期の前半にしなければならない。
- 六箇月以上の期間によって報酬を定めた場合には、前項の解約の申入れは、三カ月前にしなければならない。
民法第627条1(期間の定めのない雇用の解約の申入れ)
就業規則よりも法律が優先されますので、2週間前までに言えば良いのです。これよりも後に退職を伝えるとモメる原因にもなります。
余裕をもって伝えておくことが円満退職のポイントです。
引継ぎ期間なども考慮して、おおむね退職の3ヶ月前に伝えておけば問題はないでしょう。
最適な退職・転職時期▼
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具体的な退職日も予め決めておき、有給消化と合わせて上司と相談して最終決定をしましょう。
具体的であるほど退職の決意が伝わりやすくなるので、上司も変に引き止めたりせず円満に退職まで進めることができます。
円満退職のポイント③一時の痛みは仕方がないと腹をくくる
そして、退職の決意が固まり、退職理由が明確になれば、最初の関門・・・
それが、上司への報告です。
報告には、勢いが大事です。
ウジウジしている間に何か月も過ぎてしまい、辞めるギリギリになって伝えるのでは円満退職はできません。
僕は過去3回の転職は、だいたい朝一に上司を声をかけて「退職する」旨を伝えました。
「退職する」と伝えるのはとても勇気のいることですし、胸が痛みます。
でも、一時の痛みをとるのか、永続的な痛みをとるのか。
このことを考えると、一時的な痛みは仕方がないです。その分、あなたが前向きに生きていけるのです。
上司に「いつ、どのように退職する旨」を伝えれば良いのか▼
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上司から「辞めさせない」などの無理な引き止めがある場合、職業選択の自由に反するので、本来は禁止されています。
何人も、公共の福祉に反しない限り、居住、移転及び職業選択の自由を有する。
引用)日本国憲法第22条第1項
こういうときのために、法律は少し知っておくと良いですよ。
円満退職のポイント④同僚や患者さんへの報告は上司よりも後にしておく
同僚への報告は、よっぽど仲の良い人以外には上司に報告した後のほうが良いです。
気を許して先に同僚に退職することを言って、知らないうちに噂になっていたケースもあります。同僚への報告は慎重にしてくださいね。
また、患者や家族への報告は、上司への報告や代わりの担当が決まってからにしたほうが賢明です。
担当が辞めるとなれば、不安になる患者さんもいます。代わりの担当がまだ決まってないなんてことは余計に不安を煽ってしまいます。
患者さんや家族には、すべて決定してから伝えたほうが良いです。
なので、同僚や患者への報告は上司への報告が済んだ後のほうが良いです。円満退職を進める上では意識しておきましょう。
円満退職のポイント⑤退職願いと退職届の違いを知っておこう
退職願 | 退職したい旨を伝えるもの |
退職届 | 退職することを伝えるもの |
基本的にどちらも義務ではありません。
退職届は、職場に指定の用紙がある場合が多く、上司から退職届を書くように指示されます。
退職届を出して受理されると、退職が成立します。
あとで「やっぱり辞めません」とはいかないことは知っておいてください。
退職願いと退職届、または辞表の違いを知っていると退職のイメージがしやすくなります。イメージができれば円満退職もできるでしょう。
退職と退職届の違い▼詳しい説明はこちら。
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円満退職のポイント⑥引き受けている仕事は最後までこなそう
「どうせ辞めるんだから」と適当に仕事をしたり、引継ぎをしっかりしておかないと同僚から嫌われ円満退職もできなくなります。
実際には仕事量がだんだん減っていくので申し訳ない気持ちにもなってきますが、あなたが意識することは、
- 仕事が滞りなく進むこと
- 残った人が負担なく働けること
です。
残された人にできるだけ負担のないように、引き受けている仕事は最後までこなすことで円満退職が可能になります。
- 自分が受け持っていた患者さん
- 係の業務
など。
誰が代わりにするのかは確認しておき、代役を務める人にしっかりと引継ぎを依頼しておきます。
円満退職のポイント⑦返却するものも忘れずに
- 雇用保険被保険者証
- 年金手帳
- 制服
- ロッカーの鍵
などは退職日までには返却しておきます。
パソコン内の情報は基本的には残しておいて、個人的なメモ程度に使っていたものは削除しても問題はありません。
制服はもちろん洗濯して返します。
また、使っていたロッカーは空にして掃除してから退職するようにしましょう。
借りたものは綺麗にしてちゃんと返す。
最後はこれで円満に退職を迎えることができます。
円満退職のポイント⑧退職日は挨拶周りに徹する
出勤最終日は、
- 朝礼での挨拶
- 各部署への挨拶
- 終礼での挨拶
とにかく挨拶周りをするので、その心づもりをしておきましょう。
ここでは、しっかりとお礼の気持ちを伝えることで円満退職が可能になります。
無事に円満退職できて、やっと新しい会社へと身を投じることができるといえるでしょう。
円満退職は社会人としてのマナーです。
最後まで円満に終わったかどうかで、次の仕事への取組み方も変わってきます。最後までやりとげましょうね。
円満退職を進めつつ、転職の準備を始めよう
ここまで読んでみて、退職までのイメージは一通り付いたと思います。
ただ、肝心な次の職場をどうやって決めるのかは別の行動が必要です。
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