理学療法士として数年働いてきたけれど、
「このままで成長できるのか不安…」
「もっと専門性の高い分野に挑戦したい」
そんな気持ちから転職を考える方は少なくありません。
理学療法士のキャリアアップは、環境や職場を変えることで一気に加速することもあります。
本記事では、キャリアアップを目指す理学療法士が転職を成功させるためのポイントを、実際の傾向とともに解説します。
理学療法士が転職でキャリアアップを目指す理由とは？
理学療法士の転職理由で特に増えているのが、スキルアップや専門性の追求です。
POST（1post.jp）の調査によると、28.7％が「キャリアアップ」を目的に転職しており、年々その傾向は強まっています。
参考：POST 転職アンケート
主な理由は以下の通り
- 総合病院でのルーチン業務に限界を感じている
- スポーツリハビリや自費リハなど、より専門的な分野に進みたい
- 管理職やマネジメントポジションを目指したい
- 臨床から教育・研究職へのステップアップを考えている
キャリアアップ転職で失敗しないための5つのポイント
1. 自分が「どうなりたいか」を明確にする
「とりあえず今より良い職場を…」という転職はリスクが高めです。
まずは、自分がどの分野で、どんな働き方をしたいのかを具体的に言語化しましょう。
例：
- 「〇〇学会の認定資格を活かして自費リハをやりたい」
- 「訪問リハで在宅分野を極めたい」
- 「チームリーダーとしてマネジメントも経験したい」
2. 転職先の「キャリア支援制度」を確認する
職場によっては研修制度や学会参加費補助など、スキルアップを支援する体制があります。
求人票に明記されていない場合でも、見学時や面接で必ず確認しましょう。
確認ポイント：
- 研修費用補助の有無
- 学会・セミナー参加のサポート
- 定期的な面談・フィードバック制度
3. 自費リハ・訪問リハなどの成長市場を検討する
自費リハや訪問リハは、自由度が高く評価も実力次第の分野。
キャリアアップ志向のPTには非常に人気があります。
メリット：
- 自由診療のため施術内容に裁量がある
- 利用者との関係が長期的でやりがいがある
- 経営やマーケティングなども学べる職場が多い
4. エージェントを使って「非公開求人」もチェック
キャリアアップにつながるポジションは非公開求人で出されることも多く、
個人応募では出会いにくい情報を持っているのが専門エージェントです。
おすすめは、医療職に特化した転職支援サービス。
希望条件を明確に伝えることで、マッチ度の高い求人を紹介してもらえます。
5. 転職だけがキャリアアップではないと知る
転職は一つの手段ですが、職場内でのポジションチェンジや副業・学び直しでキャリアを広げることも可能です。
転職ありきではなく、「自分の価値を高めるにはどうすべきか？」という視点を持つことが、後悔のない選択につながります。
理学療法士のキャリアアップに強い転職先とは？
理学療法士にとっての「キャリアアップ」とは、専門性やスキルを高め、より自分らしく働ける環境や役割を手に入れることを意味します。単に収入を上げるだけでなく、成長実感・やりがい・将来性などを総合的に向上させることがキャリアアップの本質です。
以下に、理学療法士における具体的なキャリアアップの方向性をまとめます。
1. 専門性の追求・資格取得
より専門的な分野に進み、治療技術や評価能力を高めるキャリアアップです。
- 認定理学療法士、専門理学療法士の資格取得
- スポーツ、呼吸器、小児、脳卒中など特定分野に特化
- OMT（徒手療法）やボバース、PNFなどの研修受講
専門性を磨くことで、自費リハや教育分野、研究機関への道も開かれます。
2. キャリアチェンジ型（別の分野へ転職）
臨床中心の働き方から、新しいフィールドに飛び込む形のキャリアアップです。
- 訪問リハビリへの転職（在宅分野）
- 自費リハビリクリニック、フィットネス施設
- 地域包括支援センターなどの福祉領域
- 教育（専門学校講師）・研究（大学院進学）
現場の経験を活かしながら、新しい価値を提供できる場に移ることができます。
3. マネジメント・管理職への昇進
プレイヤーからマネージャー（管理者）への移行もキャリアアップの一つです。
- リハビリ部門の責任者（主任、科長）
- 施設全体の運営管理・人材育成・数値管理
- 経営側（副院長、理事）へのステップもありうる
マネジメント経験は、将来的に独立や開業にもつながります。
4. 独立・開業によるキャリアアップ
最も自由度が高く、リスクもある挑戦型のキャリアアップです。
- 自費リハビリ施設の開業
- パーソナルジムとの連携事業
- オンラインセラピー、セミナー講師、教材販売など
自分の専門性と経営スキルの両立が求められますが、「理想の働き方」を実現しやすい道です。
5. 副業・パラレルキャリアの活用
近年は、本業＋副業でスキルと収入を広げる人も増えています。
- SNSやブログでの情報発信
- セミナー講師、治療技術の指導
- eBook出版、YouTubeでのリハビリ解説
副業が本業につながるケースもあり、柔軟なキャリア形成が可能です。
キャリアアップを目指すうえで大切なこと
- 「自分が何を求めているか」を明確にすること
→ 地位なのか、収入なのか、やりがいなのか？ - 焦らず、正しい順序でステップを踏むこと
→ いきなり開業せず、まずは副業や資格取得からでもOK。 - 相談できる仲間やメンターを持つこと
→ 一人で悩まず、成功している先輩に学ぶのが近道です。
キャリアアップで年収が上がるケース
1. 専門性の高い分野に転職した場合
たとえば以下のような専門性を高めることで、より高単価の職場や役職に就けるケースがあります。
- スポーツリハビリ（プロチーム帯同など）
- 自費リハビリ（自由診療のため報酬が高い）
- がんリハ、小児リハなど希少性の高い分野
- 認定・専門理学療法士などの資格取得後の転職
専門職としての価値が高まる＝給与アップに直結する可能性があります。
2. マネジメント職（主任・管理職）になる場合
スタッフをまとめる役割を担うようになると、役職手当や人事評価加点により、年収が上がることがあります。
例：
- 主任：＋月1万〜3万円
- 科長・部長：＋月5万〜10万円
- 経営側：年収600万〜800万円の事例も
ただし、業務量や責任も大きくなるため、バランスが重要です。
3. 訪問リハ・自費リハなど成果報酬型の職場
- 訪問リハでは、件数やインセンティブにより年収600万円以上を狙える場合も。
- 自費リハでは、セッション単価が1回8,000〜12,000円のところもあり、売上に応じて報酬が決まる場合、年収700〜900万円の実例もあります。
4. 副業や独立による収入増
近年増えているのが以下のようなパラレルキャリアや独立型の年収アップです。
- パーソナルジムや整体との兼業
- SNS発信や講師業
- 自費リハ店舗の立ち上げ（独立）
- オンライン講座販売や治療教材制作
→ 本業＋副業で年収を1.5倍〜2倍にするPTも存在します。
キャリアアップ＝必ず年収アップとは限らない
注意点として、「キャリアアップ＝年収アップ」とは必ずしも言えないケースもあります。
例えば：
- 大学や研究職：年収は安定するが上がりにくいことも
- 資格を取っても、職場に還元されず給与が変わらない
- キャリアを追いすぎて働き方のバランスを崩す場合も
まとめ
理学療法士がキャリアアップを目指して転職する際は、「目的を明確にすること」と「成長できる環境を選ぶこと」が成功の鍵です。
将来どのような専門性や働き方を身につけたいかを軸に、自分に合った転職先を見つけましょう。
無理のないペースで情報収集を進め、納得のいくキャリア選択をしていきましょう。
理学療法士のキャリアアップとは、自分の力で将来の選択肢を広げることです。
環境を変える・学び直す・立場を変えるなど、方法は人それぞれですが、目的を持って行動することで、今よりもっと充実した働き方を手に入れることができます。
キャリアアップによって理学療法士の年収が上がる可能性は十分にあります。
ただし、年収アップには「キャリアの方向性」「職場環境」「働き方」などによって差が出ます。