僕は理学療法士(PT)ですが、僕が新卒1年目の頃は、仲の良かった同期の作業療法士(OT)と度々「この仕事きついなぁ」と愚痴り合っていました。
僕は転職を3回、4つの職場を経験しています。
最初に勤めた病院は新人初日から18単位を診るような職場でした。当日は先輩からのフィードバックもあり、病院を出たのが23時頃です。
作業療法士の同期とロッカールームで「あり得へん、きつすぎる」と言い合ったのをよく覚えています。
僕らの1年目は、
- 毎日18単位を診るノルマ
- 委員会・係の仕事
- 新人教育、新人は症例発表年3回あり
僕は「理学療法士辞めたい」、同期は「作業療法士辞めたい」を言い合っているくらいでした。
僕は看護師から嫌味を言われていじめみたいなことも受けたことがありますし、同期のOTもいきなり「この仕事やっといて」と無茶ぶりされて残業を余儀なくされていることもありました。
結局、僕も仲の良かったOTの同期も、同じ時期(4年目の終わり)に二人同時に退職しました。
僕の転職体験談は他の記事でも書いてきましたが、ここでは同期の作業療法士から実際に聞いた辞めたくなる理由についてお伝えしようと思います。
「作業療法士辞めたい」そう考えている人に、実際の生の声をお届けしようと思います。
【実際に聞いた】作業療法士を辞めたくなる理由
なぜ作業療法士を辞めたくなるのか、その理由は以下のものが挙げられます。
- 職場に作業療法士が少ない
- 担当患者が多くなる
- 業務が多くなる
- 日常生活(ADL)評価で昼休憩が潰れる
- 診る範囲が広い
ざっと挙げると、このようなことを言っていました。
作業療法士は、理学療法士よりもスタッフの数が少ないため、担当患者が多くなりがち、加えて計画書や報告書などの書類業務も多くなります。
作業療法士は、患者の日常生活を診る仕事ですので、患者の食事評価やトイレ評価などで、当然のように昼休憩がまともに取れないこともあります。
また、リハビリの内容に関しても、理学療法士のように基本動作(例:立ち上がり、歩行)だけ、というよりも、作業療法士は高次脳機能面、メンタル面などの評価も求められ、診る範囲が広範囲にわたります。
もちろん、理学療法士もADLや高次脳機能面の評価のサポートはしますが、メインは作業療法士になります。
まず作業療法士は仕事上の特徴があります。
加えて、僕が勤めていた病院では、
- 毎日18単位を診るノルマ
- 委員会・係の仕事
- 新人教育、新人は症例発表年3回あり
このような雑務があり、しかも残業代は出ません。
こんなことから、僕も作業療法士の同期も「ここでは長く勤められない」と判断して、辞めてしまったのです。
作業療法士が活躍しやすい職域
作業療法士が主な就職先は、
- 病院(急性期、回復期、維持期、精神科)
- 施設(介護老人保健施設、特別養護老人ホーム)
- デイケア
- 外来リハビリ
- 訪問リハビリ
などです。
この中でも、作業療法士が活躍しやすい職域は、
- 精神科病院
- 施設(介護老人保健施設、特別養護老人ホーム)
- デイケア
- 訪問リハビリ
などです。
なぜ、作業療法士が活躍しやすいかと言うと、精神面や生活面を診るのが得意な職業だからです。
訪問リハビリでも、理学療法士はたくさんいますが、機能回復というよりも「生活をより豊かにする視点」が求められますので、福祉用具の選定や手作りの自助具を作成するのが得意な作業療法士のほうが、どう考えても優遇されます。
しかも訪問リハビリでは、インセンティブ(歩合制)を取り入れている職場では、月給や年収が高くなりやすいのも大きな魅力です。転職してだけで、年収500万円を超える人もいます。
病院で年収500万円を超えようと思うと、10年くらい勤めるか、すぐに役職に就くかはしなければいけません。
また、現在僕が勤める整形外科クリニックでも作業療法士はいますが、理学療法士とほぼ同じように働いているので、忙しさにほとんど違いはありません。
結局は、働きやすさは「職場による」といったところでしょう。
作業療法士は転職しやすい
作業療法士は、理学療法士に比べてスタッフの数が少ない、患者を診る範囲が広い、担当する患者の数も多いなど、ネガティブ要素として挙げましたが、これはポジティブに考えることもできます。
作業療法士の数が少ない、ということはそれだけ希少性が高いということです。
僕も転職経験者ですので、求人を探しているときにも、理学療法士は募集していないのに、作業療法士は募集している職場も多かったです。
やはり、患者の診る範囲も広いですし、それだけ世間からも求められていると考えられます。
実際に、転職した作業療法士の同期もあっさり就職を決めていました。
なので、もし他の職場に転職したいと考えているなら、作業療法士は転職しやすいと思って大丈夫です。
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ただ、職場の特徴上どうしても忙しくなりやすいので、「あまりノルマのない職場」「残業が多くない」なども職場を選ぶときの判断基準にすると良いと思います。
一般企業への転職はどうなの?
もう作業療法士自体を辞めてしまって、他の業界に転職するのはどうなの?
このように考える人も多いと思います。
たしかに、高い学費を払って、きつい実習を乗り越えてきた割に、給料はそんなに良くないし、身体的にきついし、もう他の業界のほうが割に合ってるのではないかと思うでしょう。
それなら、作業療法士の知識が少しでも活かせる
- 福祉用具専門員
- スポーツメーカー
- 介護用ベッドメーカー
- 自動車メーカー
など。
絶対にやりたいことがあるなら異業種もあり・・・なのですが、僕個人的には「今の職場が何となく嫌」というだけなら、作業療法士は続けたほうが良いと考えています。
こちらの記事▼では、理学療法士は続けたほうが良い理由を書いていますが、作業療法士も同じことが言えます。
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理学療法士を辞めたいと悩むあなたへ!転職経験のある僕が"理学療法士は続けたほうが良い理由"を伝えるよ
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作業療法士は続けたほうが良い
たしかに、一般企業へ転職すれば給料は上がるかもしれません。
ですが、ノルマが合ったり、残業が余計に多くなったり、人間関係で悩んだりする可能性もあります。
リハビリ職場、決められた時間患者を診るだけで給料が貰える仕事ですので、他の職業に比べると楽と言えば楽です。
給料も職場によっては、それほど悪くはありません。
一般企業との給料の違いを知りたい人はこちら▼
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理学療法士の給料は安いの?高いの?一般企業と比べてみた
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作業療法士として働いていると、「こんな仕事嫌」「辞めたい」と思うときもありますよね。
でも、作業療法士が嫌なのか、その職場が嫌なだけなのかは区別しておいたほうが良いと思います。
なぜなら、職場を変えるだけで"楽に働くことができる"からです。
転職サイトで今後の働き方を相談してみよう
僕も以前の職場はかなりきつくて、毎日「辞めたい」と思っていましたが、転職して職場を変えただけで一気にストレスはなくなりました。
現在僕は4つ目の職場で勤務していますが、今はむしろ仕事に行くのが楽しいくらいです。
理学療法士も作業療法士も、決められた時間に患者と楽しく会話ができて、尚且つ専門的な知識を活かして治療すれば、患者からも喜んでもらえる仕事じゃないですか。
しかも、職場をちゃんと選べば残業一切なし、というのは探せばいくらでもあります。
僕が転職した際に、必ず活用していたのが転職サイトです。
転職サイトに登録すると、エージェントと呼ばれる転職アドバイザーがあなたの代わりに希望に合った求人を紹介してくれます。
気軽に相談役として、活用してみて、話を擦り合わせていく中で、どういう職場で働きたいのかを決めていけば良いと思います。
前述したように作業療法士は需要が高く、求人も豊富にありますので条件の良い職場が見つかるはずです。
転職サイトの利用はすべて無料ですので、活用しておく方がお得です。