理学療法士は、実習が過酷なことで有名な業界です。
理学療法士療法士を志している学生や、もう理学療法士の資格を取った人なら「理学療法士の実習はきつい」ってイメージを持っているものだと思います。
最近は減ったと思いますが、過去には「お前は、理学療法士に向ていない!」「帰れ!」など、言葉の暴力は普通にありました。
これって、普通にパワーハラスメント(パワハラ)ですからね。
それによって、自殺する実習生がいたくらいです。
しかも、学生に留まらず、働き出してからもパワハラまがいにことが横行している業界です。
この記事では、
- パワハラとは何なのか?
- 僕が実際に受けたパワハラについて
- あなたがパワハラから身を守るための2つの対策
をお伝えします。
あなたが、過ごしやすい・働きやすい環境を手に入れるための手助けができれば幸いです。
パワーアハラスメント(パワハラ)に当たる行為とは?
まずはパワハラって、どういうものを指すのかを整理しておきましょう。
職場のパワーハラスメントとは、同じ職場で働く者に対して、職務上の地位や人間関係などの職場内での優位性を背景に、業務の適正な範囲を超えて、精神的・身体的苦痛を与える又は職場環境を悪化させる行為をいいます。
引用)パワーハラスメントの定義
何でもかんでも「パワハラ」というのではなく、教育の一環として厳しい指導をすることもあります。
ただし、必要以上の言葉の暴力、理不尽な業務(課題)命令はパワハラに該当する可能性があります。
例えば、
- 人格否定(「理学療法士に向いてない」「お前のことが嫌い」などの言葉の暴力)
- 差別(「歳を取ってから理学療法士になるのだから、もっとしっかりしろ」などの年齢差別)
- 時間外強制労働(勤務時間外に残業代を出さずに、会社に強制居残りさせる)
- 退職を勧められる(お前は向いてない、仕事を振らない、役割を与えない)
- 飲み会への強制
- 暴力(手を出す)
など。
これらは、すべてパワハラに該当します。
このようなパワハラまがいなまではいかなくても、実習や新人研修なんかはかなりきつい職場もあります。
- レポート、課題が多すぎる
- 遅くまで居残りをさせられる
- 無茶な課題を出す
これらの繰り返しにより、睡眠時間が大幅に削られることもあります。
この辺はパワハラの際どいライン(グレーゾーン)なのですが、パワハラの定義に照らし合わせてみると、精神的・身体的苦痛を与える行為なわけですので、パワハラ扱いになる可能性もあります。
僕の実習時代を振り返る
僕が実習生のときは、毎日深夜1時か2時までレポートの課題に取り組んでいました。
夜更かししていても、課題は全然終わらないんですよね。
僕は、これは寝ないと身体がもたないと思って、課題が中途半端でも寝ることにしていました。
詳しく言うと、電気をつけたまま、小刻みに目覚ましを鳴らして、起きたら課題に取り組みことを毎日繰り返していました。
しっかり、睡眠した日はありません。ずっと、仮眠みたいなものです。
仕上げたレポートは、指導者(バイザー)が丁寧に添削していただきます。
フィードバックは夜の19時まで。
遅くまで居残りすることに慣れていない僕の心の声は、「はよ帰りたい」。それだけでした。
僕の実習地は、まだ優しいほうだったと思います。
友人の話を聞くと、「いつも寝るのは1時間だけ」とか。「フィードバックが終わるのが21時」とか。
相当きつい実習先では、実習中にぶっ倒れる人もいたとか。
こうした言葉には現れないパワハラって、普通にある業界なんですよね。
酷い実習先だと、完全アウトなパワハラもあるようです。
せっかく仕上げてきたレポートを「こんなので良いと思ってんのか!」と、破り捨てられる人もいたとか。
「そんなので理学療法士になれると思ってるの?」「お前は明日から来なくて良い」「(年齢を重ねて理学療法士を目指した学生に)その歳で理学療法士になるんだから、ハンディがある、危機感を持て」
などの言葉の暴力。
理学療法士って患者の前では優しそうな顔するけど、実習生にめっちゃ厳しいですよね。
働き出しても、パワハラは普通にある
僕の新人時代の話ですが、他の記事でも書いてますが結構きつかったんですよね。
毎日23時までフィードバック、次の日までにレポートを仕上げてくるという無茶な課題。「普通に無理やし」ってなります。
回診の時。
院長に付き添い、入院中の患者の情報共有を多職種とするのですが、僕が担当していない患者に対して、院長から「この患者は何で目標に達成してないんだ!」と怒られたこともありました。
「リハは何をしてたんだ、責任者を呼べ!」と言われました。
自分の担当なら応えられるけど、さすがに自分の担当以外の情報には限度がわるわけで、それを問い詰められても「わからんし」ってなります。
てか、普通にパワハラやん!
僕は、転職を経験していますが、転職を考えるきっかけになったことは間違いありません。
新卒・学生が就職先を探すなら、就職サポートを利用しよう▼
-
-
【就職活動の必勝法】新卒・学生理学・作業療法士が楽に"就職先"を決める方法
理学療法士や作業療法士になるため、日々勉強している学生さんへ。 理学・作業療法士は3年または4年の学習過程を踏み、最後に国家試験に合格することで晴れて「理学療法士(または作業療法士)」に ...
続きを見る
まずは、「これってパワハラじゃね?」と現状のおかしさに気付いてください。
パワハラが普通に横行していると、自分自身の身に危険が及びます。
パワハラは、パワハラしている本人が気づかないうちにやってしまっていることはあります。
あなた自身が、パワハラに合わないためにできることを考えておく必要があります。
パワハラに該当する項目は、前述した通りです。
「これって、パワハラじゃね?」と気づいたら、すぐに対策を打ちましょう。
ここからは、あなた自身が自分の身を守る2つの方法をお伝えします。
パワハラ対策①.上司に報告する
先輩など、立場的に近い同僚がパワハラまがいのことをしている場合。
実は、簡単に解決する可能性があります。
上司やもっと上の責任者に、「これってどうなんですか?」とパワハラエピソードを報告すれば良いのです。
ただ口頭で報告するだけでは、事実確認ができないので対策を打ちにくいのは確かです。
暴言を繰り返してあるのなら、ボイスレコーダーで記録しておきましょう。そして、それがいつどのような状況で吐かれた暴言なのかを書面で記録しておくと良いです。
僕も、後輩がパワハラまがいの言葉を言われているのをみて、上司に報告したこともありました。
チクリみたいですが、別に僕の名前は公に出ませんし、問題提起をするだけです。それで上司が、直接注意してくれたのかわかりませんが、それ以降パワハラ当事者が大人しくなったので、解決に至りました。
職場の人間関係に悩む理学・作業療法士の対策▼
-
-
人間関係に悩む理学・作業療法士へ!職場の人間関係で悩んだときの対策
理学療法士9年目になるかずぼーです。 社会人として働いていると、悩みは尽きないですよね。 仕事の悩みのほとんどが、実は人間関係だってあなたはご存知でしょうか? 実際、人間関 ...
続きを見る
パワハラ対策②.環境を変える
新人や若手など、業務に慣れていない人がミスをしてしまったり、効率の悪い仕事をすることは普通にあるでしょう。
だとしても、理不尽な言葉攻め、必要以上の言葉の暴力はパワハラにあたります。
どうすればミスをなくし、業務効率化を図り、社員が気持ちよく働けるかを考えるのが先輩や上司の役目です。
現場の上司がパワハラを容認してある職場なら、ほぼ解決は不可能です。
それなら、あなた自身が環境を変えるしかありません。
労働基準監督署に相談するのも一つの手です。ただ、パワハラとなる証拠を集めたり、何かと時間がかかりすぐに解決に至るわけではありません。
人はそんなにすぐに変わりません。なら、あなたが一歩外へ目を向けてみることです。
パワハラが普通になっている職場からはすぐに離れたほうが良い
どこへ行っても、パワハラはあるでしょう。
ただ、明らかに今の職場にパワハラが蔓延しているのなら、今すぐに転職したほうが良いです。
僕はあらかじめどんな職場かを知るために、事前情報を得られる転職サイトへの登録をおすすめしています。
自分で求人を探して、見学に行くだけでも、どんな人が働いているか多少分かると思いますが、やはりもう一人冷静に職場をジャッジしてくれるアドバイザーがいてくれたほうが絶対外しません。
転職サイトへの登録は1分程度終わるものが多く、まず無料ですので損することはありません。あなたが望む求人を紹介してくれますので、使わない手はないです。
「残業が少ないところ」や、「上司が優しいところ」「働きやすいところ」など、あなたが働く上で求める条件を正直に伝えましょう。
転職アドバイザーは、職場の雰囲気も把握しており、上司がどんな人かも教えてくれます。どんな人が働いているかまでは、ネットでは拾えない情報は転職アドバイザーに聞いてみるのが一番です。
良い求人ほどすぐに枠が埋まってしまいますので、早めに行動しましょう。
転職アドバイザーは、あなたの味方です。もちろん、紹介された求人に絶対に就職しないといけないわけでもありません。
「ここで働きたい!」と思える職場に出会えればすぐに応募できるように、まずは登録だけでもしてみて、多くの求人に触れてみてください。