理学療法士として働き始めて3年。
新人の頃の緊張感や必死さが薄れ、仕事もある程度こなせるようになってきた頃。
ふと、こんな思いがよぎることはありませんか?
「このままでいいのかな…?」
周りを見渡せば、同期の中には
- 「転職して給料も上がったらしい」
- 「自費でやりがいある仕事してるみたい」
- 「もうチームリーダーになってる人もいる」
そんな話を耳にするたびに、なんとなく焦る自分がいる。
毎日患者さんと向き合い、リハビリを提供しているはずなのに、どこか“モヤモヤ”とした違和感を抱えてしまう——。
この記事では、その違和感の正体を掘り下げながら、
理学療法士としてキャリアを築いていくためのヒントをお伝えします。
「3年目の壁」とは?
理学療法士に限らず、多くの職種で「3年目の壁」と言われる現象があります。
- 仕事に慣れてくる一方で、成長が鈍化している気がする
- 新人の頃に感じていたやりがいが薄れている
- 同期と自分を比べて焦りを感じる
- この先、理学療法士として何を目指せばいいのか分からない
特に、「自分はまだ同じ職場で日々の業務に追われているのに、みんなはどんどんキャリアを積み上げている気がする」と感じると、その違和感はさらに強くなります。
でも実は、こうした悩みは“自分に向き合うタイミング”が来たサインなのです。
違和感の正体1:ルーチン化した毎日
毎日同じような患者、同じようなリハビリ。一見効率的に仕事ができているように見えて、心の中では…
「これって本当に自分にしかできない仕事なの?」
という疑問が湧いてくる。
ルーチンの中に埋もれた“本来の目的”を見失っている状態です。
対処法
- 1人の患者にもっと深く関わってみる
- 新しいアプローチや文献を取り入れてみる
- 他職種との連携に積極的に関わる
違和感の正体2:「理学療法士」という肩書きへの疑問
3年目になると、資格やスキルでは測れない“人としての価値”を問われる場面が増えてきます。
- 「この仕事に、自分の個性は活かせているのか?」
- 「資格に依存しすぎていないか?」
という問いが、自分の中から湧いてきます。
対処法
- 自分の「強み」や「好きなこと」を棚卸ししてみる
- 自己表現の場(SNS、ブログ、学会発表など)を持つ
- 他の分野の人との交流を通して視野を広げる
違和感の正体3:キャリアの選択肢が見えない
病院勤務?訪問リハ?独立開業?教育・研究職?
将来の道が多すぎて、逆に「何を選んでいいか分からない」状態に陥る人も。
対処法
- 憧れる先輩やロールモデルを探す
- セミナーや勉強会で他施設の情報に触れる
- まずは“やってみる”という行動から始める
違和感の正体4:同じ職場で、この先もキャリアアップできるの?
3年目になると、少しずつ周りの同期との違いが見えてきます。
- 「あの人はもう主任に昇格したらしい」
「別の職場に転職して、自由度の高い働き方をしてる」
「自費リハやオンライン発信で、理学療法士+αの仕事をしてる」
そんな声を聞くたびに、ふとよぎる疑問。
- 「今の職場にいて、自分はどこまで成長できるんだろう?」
- 「この場所で、キャリアアップは本当に可能なのか?」
ここで立ち止まって考えたいこと
- 職場内でのキャリアパスは明確か?
→ チームリーダー、主任、教育係など、ステップアップの道があるかを確認してみましょう。 - 「学び直し」や「挑戦」ができる環境か?
→ 外部研修の補助、新しいアプローチの導入などが歓迎される風土かがカギです。 - 自分が求める成長は「ポジション」なのか「やりがい」なのか?
→ 役職ではなく、関わる分野(スポーツ、訪問、教育など)で成長したい場合もあります。
どうしても「限界」を感じるなら…
キャリアアップは、必ずしも「今の場所で」しなければいけないわけではありません。
転職や副業、学び直しを通じて、自分らしいキャリアを築く道もあります。
大切なのは、「なんとなく居続ける」のではなく、「意志をもって今を選ぶ」こと。
あなたの“やりたいこと”は、今の職場にありますか?
3年目という節目で、ふと立ち止まって考えてみてほしいことがあります。
- 「私は本当に、今の職場でやりたいことができているだろうか?」
「理学療法士としての本来の目標を見失っていないか?」
毎日忙しく働いていると、つい“日常”が当たり前になってしまいます。
でもその日常の中で、心からやりがいを感じる瞬間があるかどうかが大切です。
もし…
- 本当はスポーツ分野に関わりたいのに、慢性期のリハビリばかり
- 子どもに関わる仕事がしたいのに、そのチャンスが全くない
- 自費や研究にも興味があるのに、挑戦の場が与えられない
そんな状態が続いているなら、環境を変える=転職を視野に入れるのも一つの手です。
やりがいを感じる職場に出会うために
転職は、逃げではありません。
むしろ「自分に正直になること」であり、「未来を選び取る行動」です。
転職で得られるもの
- 自分の得意・興味を活かせるフィールド
- 新しい技術や知見との出会い
- 心からリスペクトできる上司や仲間との仕事
- モチベーションを持ち続けられる日々
今感じているモヤモヤや違和感は、決してマイナスなものではありません。
それは、「もっとこうなりたい」という想いが、あなたの中にある証拠です。
自分の気持ちをごまかさずに、向き合ってみてください。
あなたの“やりたいこと”は、もしかしたら今の職場の外にあるのかもしれません。
転職を考えたときのステップ
ステップ1:自分の理想を言語化する
まずは「なぜ転職したいのか?」を明確にしましょう。
- もっと○○な分野で働きたい(例:スポーツ、小児、在宅など)
- 残業の少ない環境でプライベートも大事にしたい
- 教育体制が整っている職場で学び直したい
“なんとなく不満”ではなく、“何を求めているのか”を明確にすることが最初の一歩です。
ステップ2:情報を集める
理学療法士の転職は、求人票だけでは分からないことが多いです。以下の方法で情報収集しましょう。
- 求人サイト・転職エージェントを活用
- SNSやnoteなどで現場の声を探す
- 知人や先輩に実際の職場環境を聞いてみる
- 気になる施設の見学やインターンに申し込む
“求人の条件”だけでなく、“雰囲気”や“人間関係”も要チェックです。
ステップ3:現職との比較・整理
転職したい気持ちが強くなると、今の職場の悪いところばかり見えてしまいがちです。
でも、いざ転職して「やっぱり前の職場の方がよかった…」となるのは避けたいですよね。
今の職場の良い点・悪い点も冷静に整理しておきましょう。
退職タイミングや引き継ぎも、責任をもって進めることが信頼につながります。
自分に合った職場を見つける“3つのコツ”
コツ1:自分の価値観に合っているか
給与や待遇よりも、まず大切なのは価値観が合うかどうか。
- チームワーク重視?個人の裁量重視?
- 変化が多い職場?安定重視の職場?
- 教育熱心な風土?実力主義?
「ここなら自分らしく働けそう」と思える職場を探しましょう。
コツ2:3年後・5年後の自分が想像できるか
- 「ここで働き続けたら、3年後どうなっているだろう?」
- 「この経験は、将来のキャリアにどうつながるだろう?」
今だけでなく、“未来の自分”が見える職場かどうかを意識することが大切です。
コツ3:見学や面談で“現場の空気”を感じる
職場見学や面談では、次のようなポイントをチェックしましょう。
- スタッフの表情や会話の雰囲気
- 現場の忙しさや人間関係
- 新人へのサポート体制
- 成長を後押しする文化があるか
数字や制度だけでなく、「肌で感じる雰囲気」も重視しましょう。
おわりに:環境を変える勇気が、あなたの未来を変える
転職は、大きな決断です。
でもその一歩が、あなたらしく働き、やりがいを感じる毎日へのスタートになるかもしれません。
「このままでいいのかな?」と感じた今こそ、自分のキャリアを見つめ直す絶好のタイミングです。
あなたのやりたいことに素直になって、理学療法士としての“次のステージ”を選び取ってください。